「au」でお馴染みのKDDIは、2023年3月7日に、メタバース(コンピュータ上で構築された3次元の仮想空間)やライブ配信、デジタルアートといったWeb3サービス「αU」を発表しました。
「αU」については、既にいちごあんでもお伝えしました。今回ですが、「αU」発表会&サービス体験会にも参加させていただく機会を設けていただきましたので、様子をお伝えしたいと思います。
発表会の模様
発表会では、KDDIの髙橋社長が登壇!
今回の「αU」発表会には、KDDI代表取締役社長の髙橋誠さんが登壇されました。
髙橋さんからは、実際の世界でも、Z世代(一般的には1990年代後半から2012年頃までに生まれた世代と定義)は「友人同士で位置情報を(様々な手段で)常時共有している」ことから、デジタルな世界の中でも、リアルとバーチャルの線引きを感じられないようなサービスを開発したとしています。
実際に、今回の「αU」サービスに関しても、Z世代やデジタルネイティブ世代を意識したサービス展開となっているため、通信事業者として、今後メインの顧客となってくるZ世代やデジタルネイティブ世代を積極的に取り込もうという意向が感じられます。
また、高橋さんは、「αU」について「もう、ひとつの世界」と説明。
まだまだメタバースという言葉自体、知名度が低い状態ですが、「もう、ひとつの世界」という表現は、世界観などを含めた形でかなり “的確” ではないのでしょうか。
なお、「αU」の発表会では、Googleや広告代理店のWPPとの提携を発表しました。
特にGoogleとの提携は、同社が持つ積極的な最新技術を「αU」に取り入れられることから、時代を先取ったサービスとなることに期待できます。
Z世代を意識したサービス内容に
KDDIの担当者の方から、「αU」のサービスとなる「αU metaverse」、「αU live」、「αU market」、「αU wallet」、「αU place」の紹介がありました。
詳細な内容については、いちごあんでお伝えした記事を参照してください。
まだまだ、メタバースというと、なかなかイメージしづらいものと考えている方も多い中、いずれの担当者の方も、 “新しい世界を作ろう” という熱意が感じられました。
特に、メタバース空間をユーザーに提供するサービス「αU metaverse」では、KDDIの担当者である武田さんは、具体例として「バーチャル上の街に一緒に出かけたり、飲み会をしたり、カラオケもできる」と説明していました。
我々が経験した2020年頃からのパンデミックでは、仕事の面では、リモートワークやハイブリッドワークなど働き方が大きく変わりましたが、「αU metaverse」などのメタバースでは、プライベートでの楽しみ方も、大きく変わる可能性を秘めているとも言えそうです。
KDDIでは複数のメタバースとの相互接続も
KDDIの中馬さんからは、これまでのKDDIのメタバース・Web3への取り組みを紹介されましたが、今回の「αU」についても、GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)のように “誰かが総取り” するのではなく、複数のメタバース間で相互に接続して新しいワールドを作るのがKDDIのやり方であると強調しました。
やはり、今の時代は、複数のサービスが互いに競争しあって切磋琢磨するよりも、お互いに連携・協調しあって、より良いサービスを提供するのが是とされます。今回の中馬さんの解説も、このようなことを感じました。
今回の発表会には、コラボパートナーの「BE:FIRST」と「Bala」も駆けつけました!
今回の発表会には、「αU」とのコラボレーションパートナーの「BE:FIRST」と「bala」も駆けつけました!
「αU」のサービスを体験してみた!
「αU live」で新感覚のライブ体験が!!
「αU」サービスの中でも、推し活をしている方々に嬉しいのは、「αU live」だと思います。
今回の体験会では、「BE:FIRST」のライブを体験できましたが、今後、「αU live」で「BE:FIRST」だけでなく、他の好きなアーティストやアイドルのパフォーマンスを好きな角度と距離で楽しめるのは、推しのファンからするともうやばいですね!!
やはり、リアルで推しのパフォーマンスを見るのが理想的ですが、金銭的・時間的・距離的制約があっても、リアルのパフォーマンスに近いライブを見られるのは、推し活をしている方々には嬉しいポイントです☆
もちろん、3次元のリアルのアイドル・ミュージシャンだけでなく、2次元のアイドル・VTuberのライブも「αU live」で楽しむことができるかもしれません。
実は、「αU live」の体験で使われていたiPadは、最新モデルではないとのことです。実際、「αU live」はクラウド上で処理するため、ユーザーが持っている端末は比較的古いものであっても大丈夫とのことです。
「αU market」で好きな NFTも買えるのもポテンシャルあり!!
デジタルアート作品(NFT)が購入できる「αU market」のお話も聞かせていただきました。
「αU market」では、著名なアーティストの作品を、「ブロックチェーン」という技術を使った方法で販売されています。そのため所有者が変わってもその価値が変わらないという特徴があるため、NFTを利用して、作品のコレクションもできます。
まだまだ、NFTもイメージしづらい部分もあるのが事実ですが、好きな作品の漫画家さん・絵師さんのイラストをデジタル形式でコレクションもできたりするのも、今後「αU market」で可能になれば、かなり面白いことになるのではないでしょうか?
現時点では、クレジットカード・auかんたん決済のみの支払い方法となっています。
こちらの担当者さんにお聞きしたところ、au PAYやauじぶん銀行からの支払いに対応していないのは、「未成年者の使いすぎ防止」という側面もあるようです。やはり、キャッシュレス時代に欠かせないau PAYへの対応は今後期待です。
「αU place」でインターネット&リアルショッピングのいいとこ取りができるのも嬉しい♪
「αU」のサービスの一つとして、インターネットとリアルショッピングのいいとこ取りができるサービス「αU place」も体験することができました。
こちらは、店舗の内観から商品の陳列までをバーチャル空間に再現。ショッピングをするお客さんは、アバターとして操作を行い、好みの商品を探せます。もちろん、店舗スタッフとお客さんの間でビデオ通話などでの双方向のコミュニケーションができるので、今までのインターネットショッピングではできない体験が可能です。
まだまだアバターの操作には慣れないものの、実際のショッピングに近い体験でした。まだまだブラッシュアップの必要もあると思いますが、今後のポテンシャルの高さはかなり感じました。
「αU place」は、実際のショッピングをメタバースとして展開したものとなりますが、自宅から欲しいアイテムのショップまで遠くて行けない方や、仕事や勉強で忙しくてショップに行く時間がない方、ショップに行くのが恥ずかしい方など、今までショップに行けない理由があった方も、リアルに近い形で買い物ができるのが嬉しいですね☆
もちろん、お客さんとしては、リアルでショッピングできるに越したことはありませんが、店舗にとっても、専用アプリを使うことで専門知識やスキルがなくても、「αU place」でお店を出せるので、今までにない需要喚起にも繋がりそうです!
取材を終えて
筆者は、メタバースと聞くと、まだまだイメージしづらい部分があったのも事実です。動物が出てくる某有名ゲームのようなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、KDDIの「αU」の取り組みによって、メタバースは、”一般の方” にとってもわかりやすく、より身近となり、Z世代やデジタルネイティブ世代を中心に新たな世界を作っていけるのではと感じました。
やはり、「αU live」では、インターネット回線さえあれば、どこでも新感覚のライブを楽しめるというのは、読者の方々なら、かなりライブの参加方法が変わるのではないでしょうか。リアルのライブへと遠征に行く機会も変わってるかもしれません。
まだまだ、「αU」はブラッシュアップが必要ですが、コンテンツ次第で、オタクのみならず一般の方でも、エンタメ・ショッピング・コミュニケーションの方法が変わってくる可能性は大いに秘めています。
KDDIは、フィーチャーフォン(ガラケー)の時代に「着うたフル」や「LISMO」などで日本のエンタメ業界を牽引してきました。今もエンタメ業界のみならず様々な業界に積極的に携わっているKDDIなら、スマートフォン、そして5Gの時代に「αU」で、”新しい” 「もう、ひとつの世界。」を作っていけるのではないでしょうか。
[KDDI]