大ヒット公開中の映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』の舞台挨拶付き上映が2021年6月30日(水)にグランドシネマサンシャイン池袋にて行われました。上映後の舞台挨拶には吉平 “Tady” 直弘監督、瀬下寛之総監督、岩浪美和音響監督が登壇。『BLAME!』の舞台挨拶以来となった<東亜重音トリオ>の復活に、満席の会場から盛大な拍手が起こりました。
- 日時:2021年6月30日(水) 20:25~20:55 ※上映後
- 会場:グランドシネマサンシャイン池袋(東京都豊島区東池袋1丁目30−3 キュープラザ池袋 4F)
- 登壇者:瀬下寛之(総監督)、吉平 “Tady” 直弘(監督)、岩浪美和(音響監督)
<東亜重音トリオ>復活!『シドニアの騎士 あいつむぐほし』の強すぎる “アトモス愛” から“ ドルビーアトモス祭り” 開催話まで!さらに、アニメ第1期監督からのコメントも到着!
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「セカンドシーズンが終わったのが2015年でしょ?あいだ空きすぎじゃない?」と話す岩浪音響監督に、TVシリーズの第1期では編集、第2期で副監督をつとめ、完結編となる本作で監督をつとめたTady監督は「僕の成長を待っててくれてたんですよ、きっと」と受けつつ「自分自身がこの作品が愛着があって、(監督を)やりたいというふうに言っていたら、是非というような形で決まりました」と監督をつとめることとなった経緯を説明。
さらに、「『BLAME!』の公開時に「是非シドニアの続編やってください」といったファンの方からの声がたくさんあって、じゃあシドニアやろうよ、と」続編が決まった経緯を明かしたTady監督。「『BLAME!』も、「シドニアの騎士」での劇中劇を作ったらファンの皆さんが盛り上げてくれたからこそ実現できて。『BLAME!』の時に「シドニアの3期はまだか」と言ってくださって、僕ら自身が「えーできるかな?」とか言ってたのに。本当に皆さんのおかげなんですよ」と語る瀬下監督のコメントを「なので、ファンの方に背中を押してもらって出来た作品なんです」(Tady)と締め括りました。
話題はドルビーアトモスでの上映について。「ここの劇場は本当に音響が良くて、別の作品で調整に来たんですけど、何にもやることないですねっていうくらい本当に良い音です。平たく言うと日本一金がかかってますこの劇場!」とグランドシネマサンシャイン池袋をベタ褒めする岩浪音響監督。Tady監督は「僕この劇場でシドニアを観たんですけど、映像もスタジオでチェックしているみたいだし、音もダビングでチェックしているみたいで、心が落ち着かないくらいでしたよ」と告白しました。「池袋は故郷、ここで生まれ育ったので池袋にこんな最高の劇場ができて幸せですよ」と語る瀬下監督は「良い音の劇場が増えるっていうのは、作り手からしたら最高ですよね」と作り手としての喜びを語りました。
さらに岩浪音響監督から「ドルビーアトモス祭りやろうよ。1日は俺祭りで。(手掛けたドルビーアトモス作品が)8本あるので」と驚きの提案がなされると、劇場からは拍手喝采が巻き起こりました。「是非そういうのもやってほしい。せっかく素晴らしい劇場を作っていただいても、かける日本映画がないのがすごく残念で」と話す岩浪音響監督は「(ドルビーアトモス作品は)邦画でまだ少ないから、もっと沢山作っていただかないといけないし、来ていただいたお客様にもアトモスいいぜ、もっと作品作ってって言ってくださったら一番です」と語り、瀬下総監督はTady監督のドルビーアトモスへのこだわりについて「試写で『シドニアの騎士 あいつむぐほし』を観てて、もうアトモス愛が強すぎる、この人の演出!と思いました。もし「あいつむぐほし」のコメンタリーとかがあるんだったら、 “ここアトモス愛” っていうロゴが出てもいいくらい、あー、このカメラワークはアトモス愛だなっていうのを感じました」と話し、それを受けたTady監督は「『BLAME!』の舞台挨拶の時に、アトモスをどうやったら使えますかっていうのを岩浪さんからちょこちょこ聞き出して、コンテマンにスピーカーがこことここの列にあるから、ビームはこっちからこっち側に向かって撃てって…」と細かく指示を出していたと言う制作時のエピソードを明かしました。
そしてTady監督から岩浪音響監督へマニアックな質問が。「(音の捉え方として)オブジェクトというのがあって、それが動いて3Dの音響で音が移動していくんですけど、本作で一番オブジェクトが動いているシーンはどこですか?」との問いに対して「やっぱドッグファイトのところ。やっぱり宇宙で飛びながら宇宙船がビームを撃つシーンは、ぶっちゃけ一番回し甲斐があるよね」(岩浪)と答えました。さらに、ドルビーアトモスを備えた劇場の音響について「ざっくり説明すると、スピーカーがいっぱいあるでしょ?スクリーンの後ろにも5本入ってるんです。普通のスクリーンだと3本。天井にもついてるでしょ。これが1000×1000×1000のグリットで組み合っていると。この劇場の中に10億個くらいのピンポン球くらいのものがびっちり詰まっているとして、その一個ずつに音を置くことが出来るんですよ。それくらい緻密に音が置けるんです」(岩浪)とその繊細さについて解説。場内で「うんうん」とうなずく観客が続出しました。
また、Tady監督は劇中の隠れポイントを披露「僕に似た操縦士が出てきます。操縦士のバリエーションが作れなくなってきて、お顔をください、とグラフィックのスタッフが作ってくれたんですけど、目立たないようにそっとモブで写っています」(Tady)、「Tadyさんの顔はどの辺にいるんですか?ある程度ターゲットを絞っておかないと見つけられないじゃん」(岩浪)、「扱いはモブですよ、たしか(スクリーンに向かって)左端かな?」(Tady)、「皆さんもう1回観るしかないね」(岩浪)、「Tadyさんの解説付き上映会やればいいいじゃない?レーザーポインターで指しながら…」(瀬下)との提案に再び拍手喝采が巻き起こりました。
イベントの後半にはTVシリーズ第1期の監督を務めた静野孔文監督からのビデオメッセージが到着。瀬下総監督がこの舞台挨拶のために撮影したメッセージ動画が上映されました。
「Tadyさん、岩波さん『シドニアの騎士」大ヒットおめでとうございます。Tadyさんが第1期で編集をしていただいたことを懐かしく感じます。あの編集があったからこそ、この完結編が素晴らしいフィルムに出来上がったと感じました。本当にありがとうございます。岩浪さんも第1期から完結まで、素晴らしい音を本当にありがとうございます。劇場の皆さん、これからも『シドニアの騎士』の応援をよろしくお願いいたします」(静野)
瀬下監督は「静野さんと一緒に『シドニアの騎士』を観て、当時のスタッフ以外の新しいスタッフも居ますけど、本当によく頑張っているから、シドニアの系譜を継いでいってくれる流れがとても大切だし、シドニアの世界が物語と同時に続いていって欲しいなという、僕も一家族の気持ちでいるので、静野さんも喜んでいるし、同じ気持ちで応援しているという気持ちなんです」と『シドニアの騎士』シリーズへの気持ちを語りました。
舞台挨拶最後のコメントは、以下の通りです。
「年内あと数本劇場作品をやります。発表になってないものもあるけど1本はアトモスで作ります。たぶんここでもかかるので、良い映画ばかりなのでぜひ観に来てください。よろしくお願いします」(岩浪)
「今日はお集まりいただいて感動しています、ありがとうございます。僕は個人的にやりたいことがありポリゴン・ピクチュアズを退社して3年が経ちますが、思い出すのは皆で頑張ってシドニアを作っていた頃ばかりです。いまも新作をこつこつ作っていまして、当時感じた楽しさを力にしながら、皆さんに少しでも喜んでもらえるものを作り続けています。また『シドニアの騎士』の関連を作品つくるとかになったら、とにかくずっと応援し続ける、外堀を埋めていくスタッフでありたいと思っていますので、今後もポリゴン・ピクチュアズと『シドニアの騎士』を何卒お願いします」(瀬下)
「今日、やっと念願叶って皆さまの前でお話しさせていただけることになりました。『シドニアの騎士』は自分にとって特別な作品だったし、何よりも周年を燃やして作ってきた作品です。それを皆さんが10回も観たとか、たくさん気に入ってくださったり、コメントを書いて下さったり、コロナの時代で舞台挨拶がやりにくい中で、皆さんの気持ちを受け止めています。ありがとうございます。ちょっとずうずうしいかもしれないのですが『BLAME!』の時に言ったら叶ったので、皆さんの応援で「シドニアの騎士」スピンオフとか作りたいなと思いますので、引き続き温かく応援してくださったらと思います。今日はありがとうございました」(Tady)
と語り、イベントを締めくくりました。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』作品概要
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〇公開情報
絶賛公開中
〇WEB
公式HP:sidonia-anime.jp/Twitter:@SIDONIA_anime
〇ストーリー
———— 身長差15メートルの恋
未知の生命体・ガウナに地球を破壊され、かろうじて生き残った人類は
巨大な宇宙船「シドニア」で旅を続けていたが、100年ぶりにガウナが現れた。
再び 滅亡の危機に襲われた人類だったが、人とガウナから生み出された白羽衣つむぎや
人型戦闘兵器・衛人 (ルビ:モリト) のエースパイロットである谷風長道の活躍により、ガウナをいったん撃退。なんとか勝利をおさめたのだった。
あれから10年-。
シドニアの人々は、つかの間の平和を楽しんでいた。
つむぎも、今やシドニアの英雄となった長道に想いを寄せながら、穏やかな日々を過ごしている。
だが、艦長・小林は分っていた。ガウナがいる限り、この平穏は長く続かないことを。
そして、人類の存亡をかけ、最終決戦を決断する。
愛する人を守るため、シドニア最後の戦いがついに始まった。
〇キャスト
- 谷風(たにかぜ)長道(ながて):逢坂良太
- 白衣羽(しらうい)つむぎ:洲崎 綾
- 科戸瀬(しなとせ)イザナ:豊崎愛生
- 緑川 纈(ゆはた):金元寿子
- 岐神(くなと)海苔夫(のりお):櫻井孝宏
- 岐神(くなと)海蘊(もずく):佐倉綾音
- 仄(ほのか) 姉妹:喜多村英梨
- 小林艦長:大原さやか
- 勢威(せいい)一郎:坪井智浩
- 落合:子安武人
- ヒ山ララァ:新井里美
- サマリ・イッタン:田中敦子
- 佐々木:本田貴子
- 弦打(つるうち)攻市(こういち):鳥海浩輔
- 丹波新輔:阪 脩
- 田寛ヌミ:佐藤利奈
- 科戸瀬ユレ:能登麻美子
- 山野 稲汰郎(とうたろう):内田雄馬
- 浜形 浬(かいり):上村祐翔
- 端根 色葉(いろは):水瀬いのり
- 半間 乙希(いつき):岡咲美保
〇スタッフ
- 原作/総監修:弐瓶 勉『シドニアの騎士』(講談社「アフタヌーン」所載)
- 総監督:瀬下寛之
- 監督:吉平 “Tady” 直弘
- 脚本:村井さだゆき/山田哲弥
- プロダクションデザイナー:田中直哉
- アートディレクター:片塰満則
- CGスーパーバイザー:石橋拓馬/上本雅之
- アニメーションディレクター:永園玲仁
- 美術監督:芳野満雄
- 色彩設計:野地弘納
- 音響監督:岩浪美和
- 音楽:片山修志
- 主題歌/挿入歌:CAPSULE
- 作詞/作曲:中田ヤスタカ
- 音楽制作:キングレコード
- アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
- 配給:クロックワークス
- 製作:東亜重工重力祭運営局
©弐瓶勉・講談社/東亜重工重力祭運営局