優しいお姫様と悪女なお姫様が入れ替わった!?中華後宮×入れ替わりの世界観と衝撃の連続・伏線回収がすごい『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』!結末が見逃せない、コミックシーモア・電子コミック大賞のラノベ部門受賞作品☆

皇帝や王様・后妃が住む「後宮」を舞台とした中華風なファンタジー・後宮モノの人気も高まっていますが、皆さん、後宮モノはもう読みましたか?アジアンテイストの華やかさと気品、後宮ならではのキャラクターの関係に加え、入れ替わりのドキドキ感を味わえる作品が、このライトノベル『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』です!

(1巻表紙より)©中村颯希・ゆき哉/一迅社

作品の舞台は、5つの名家から「雛女(ひめ)」と呼ばれるお姫様を集め、次代の妃を育成する後宮「雛宮(すうぐう)」。


(1巻より)「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

美しく慈悲深いけれど病弱で、「殿下の胡蝶」と呼ばれる雛女の黄 玲琳(こう れいりん・左)は、彼女を妬む嫌われで「どぶネズミ」と称される雛女・朱 慧月(しゅ けいげつ・右)に、心と体を入れ替えられてしまいます。それをきっかけに、生活は一変。様々な困難が立ちはだかりますが、玲琳は強すぎる精神力で乗り越えていきます!

玲琳がピンチになればなるほどどんな行動に出るのかが気になり、ハラハラしつつも「玲琳ならきっと大丈夫!頑張れ!」と応援したくなります。また、伏線回収も見どころで、読み進めていくと衝撃を受けるシーンがたくさんあるのも楽しいポイントです!入れ替わった玲琳と慧月、そして雛宮で暮らす人々の思惑が交錯する、バチバチなストーリーを読んじゃいましょう☆

玲琳と慧月の入れ替わりは思わぬ方向に!?鋼メンタルで乗り越える玲琳がかっこいい☆

『入れ替わればいいのよ。お膳立てだけしてもらって、最高の状態に整ったあなたの座を、わたくしがもらうの。そうしてあなたは、わたくしがこれまでに受けた不幸を、まとめて味わうがいいわ』

(1巻・「1.玲琳、入れ替わる」より)「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

「周囲の人々から愛され、自分とは全く違う美しさを持つ玲琳に、嫌われ者の苦しみを味わってほしい!」と強く思った慧月の術により、玲琳と慧月が入れ替わります。しかも、玲琳は入れ替わったことを誰にも伝えられない術までかけられて大ピンチ!この挿絵やセリフからも、玲琳に対する憎しみが伝わりますね。入れ替わったことで次期皇后の座を狙う展開は、後宮モノ×入れ替わりだからこそ楽しめるストーリーなので、最初から作品の魅力をビシビシ感じられます☆

また、入れ替わった姿の玲琳(右)と慧月(左)にも注目!人物紹介のカラーページと見比べてみると、普段はキリッととした印象の慧月に玲琳が入ったことで、おっとりした可愛い感じがプラスされていたり、逆に穏やかな玲琳が慧月になったことで妖しげな雰囲気が加わっていたりと、お互いの要素をほどよく混ぜているのが面白いです♪ なんだかこの姿も魅力的かも!?

いや、それとも少し違う。黄 玲琳が得意としたのは、どこまでも繊細で優雅な――言い換えれば、体力の消耗が少なくて済む舞。そんな彼女が、この舞に手を出すはずがない。

(1巻・「8.玲琳、舞う」より)ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

でも、この入れ替わりは、慧月にとってすべてがうまくいったとは言えませんでした。なぜなら、病弱な玲琳は慧月と入れ替わって健康な体になれたことで、自由を手に入れられたからです!毎日高熱や息苦しさに見舞われ、心配した女官たちがすぐに飛んでくるのが玲琳の今までの日常でした。入れ替わってからは廃屋のような場所での生活を強いられたり、ひどい扱いをされたりしますが、いくら動いても疲れや苦しさを感じず、過度に心配されることもないのは、玲琳にとって最高の喜びでした。

玲琳は持ち前の賢さ、そして鋼のメンタル、さらに入れ替わったことで手に入れた体力で、過酷な中でも自分が楽しめる環境を作っていきます。できなかったことができるようになった嬉しさでいっぱいになり、生き生きとしている玲琳は素敵です♡ 慧月の姿で受ける様々な罰も、最初は「これはさすがに酷すぎる…」「中身は玲琳なのに!かわいそう!」と思ってしまいますが、読み進めていくうちに、「次はどんな困難が待ち受けていて、どんな風に乗り越えていくんだろう?」「玲琳の勇敢なところがもっと見たい!」と思えてきちゃいます♪ もしかしたら玲琳には、自然と応援したくなる不思議な力や、ピンチも絶対に切り抜けられるという信頼感もあるのかもしれませんね。

そうして、にやにやと笑いだしそうになるのを必死にこらえながら、言ったのだ。

「わたくしは大丈夫でございます。お従兄様にご心配をおかけしてしまうことだけが、心苦しゅうございます……」

と、思い切り殊勝に、しおらしく。

(1巻・「4.慧月、現実を知る」より)ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

一方慧月は、虚弱な玲琳と入れ替わったため、高熱や息苦しさで苦しみます。それでも、周りの人が心配してくれることが、嫌われ者の慧月にとっては嬉しいことでした。皇太子の尭明(ぎょうめい)がお見舞いに来てくれたのをいいことに甘えるこのシーンは、慧月の策士っぽさを感じます。あざとくて可愛いけれど、このフレーズからわかる悪女ぶりにゾクゾクしますね~!

こんなふうに最初は余裕のあった慧月ですが、玲琳が弱っている時にしているという鍛錬をすることになったり、自分で薬を用意しなくてはならなかったり…。入れ替わったことを見破られないためにも玲琳として振舞わなければならないので、つらくみじめな思いをし、さらに憎悪が増していきます。玲琳となった慧月の様子からは、玲琳がどうして精神的に強いのか、前向きなのかが間接的に見えてくるので、そこにも注目しながら読んでみてくださいね!

玲琳の優しさやたくましさが溢れていて、心が揺さぶられる!

「いいのよ、莉莉。言ったでしょう、わたくし、全然気にしてなどいません」

そっと、優しく抱きしめてくる腕に、ますます涙がこぼれる。

ずっと莉莉に嘲笑を浴びせ続けてきた、陰険なはずの女。

なのに、今、彼女から放たれる言葉は、心の奥底からのものなのだということは、妙にすんなりと理解できた。

そう、わかるのだ。

彼女が心底、こちらを案じ、心を砕いているということが。

(1巻・「5.玲琳、女官を得る」より)ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

下級女官の莉莉(りーりー)は、慧月から見下されてきた仕返しとして、慧月の姿になった玲琳に様々な嫌がらせをしようとします。けれど、玲琳がその嫌がらせすらもポジティブにとらえるうえ、莉莉にも優しく接するので、だんだんみじめな気持ちになり反省します。

「異国の踊り子の娘」として他の女官からも相手にされないことが多かった莉莉に、玲琳の愛情が染みわたっていくのが感動的です!嫌がらせをしたはずなのに、ここまで深く思っていてくれる玲琳の言葉や存在が、莉莉を癒しているようにも見えます。

中身も慧月だったらこんなことはありえないけれど、莉莉が慈愛に満ちた玲琳を受け入れていく過程が丁寧に描写されています。ここから玲琳と莉莉の絆が感じられるエピソードや、コミカルなやりとりも増えていくので、この2人の組み合わせも必見ですよ☆

(ねえ、慧月様。わたくし、今、すごく体力があるのです。心を忙しなく動かすための、素晴らしい力が。だから)

玲琳は軋む腕を上げ、弓を構え直した。矢をつがえ、口割りに引いてゆく。

(みっともなく足掻いて、無茶をして――あなたを救わせてくださいませ!)

慧月を、あの体のせいで死なせたりしない。

(1巻・「9.玲琳、弓引く」より)ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」©中村颯希・ゆき哉/一迅社

病弱な玲琳の体で苦しむ慧月のために、破魔の弓で的を射る音によって病魔を祓うことになった玲琳。本当はよく知った自分の体を楽にさせるため、直接看病に行きたかったのですが、慧月の姿ではそれが許されませんでした。

一晩中弓を引き続けるという試練も、体が強くなった今の玲琳だからこそできること。入れ替えられてからずっと困難の連続なのに、相手を思いやれる玲琳はすごいですね!決して慧月を恨まず、自分ができること・やるべきことをしっかりやっている姿を見ると、彼女のまっすぐな部分を見習わなくちゃ…と思えてきました。体も心も強い今の玲琳は最強です!

入れ替わりがきっかけで後宮内はカオスに!

後宮モノと入れ替わりのストーリーが合わさったことにより、「次期皇后に最も近いお姫様と悪女のお姫様が入れ替わる」という特殊な構図を楽しめる『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』。後宮を巻き込んだスリリングな展開で読者を魅了する、コミックシーモア・電子コミック大賞のラノベ部門受賞作品です!

慧月の姿になった玲琳を見て人々は怪訝な表情をしたり、劣悪な環境におかれたことでおかしくなってしまったと言い、玲琳の姿になった慧月に対しても、「いつもより低い熱でも苦しそう」「なぜこんなに甘えてくるのか」と思っているものの、なかなか入れ替わったことに気づきません。「これってどうなるんだろう?」「早く気づいてあげてよ~!」と思いつつ読んでいると、意外なタイミングで伏線が回収され、思わず声が出てしまうほどの爽快感があります☆

また、名家が揃う後宮モノなので、たくさんのキャラクターが登場し、好意を寄せていたり、敵対したりと、様々な人間関係が見られるのも作品の魅力的な要素です。玲琳と莉莉のかけあいはコミカルな面もあり、サバイバル精神に溢れた玲琳に振り回される莉莉が面白く、ピリピリ感のある作品の中でも映えるシーンとなっています♪ そして何より気になるのは、入れ替わってしまった慧月との関係!一体、玲琳と慧月が入れ替わったことに気づく人は現れるのでしょうか?そして、2人はもとに戻ることができるのでしょうか?困難だらけで複雑だからこそ盛り上がる、つよつよお姫様・玲琳の活躍に期待しましょう☆

[コミックシーモア『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』]

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