【イベントレポート】子宮頸がんや乳がんなど「女性のがん」がテーマ! “タブー” 視されがちな女性の健康に向き合うイベント 「Let‘s talk! in Sanrio Puroland」が2023年11月23日(木)に開催されました☆

2023年11月23日(木・祝)に、女性のタブーに向き合うイベント「Let’s talk!2023 in Sanrio Puroland」が開催されました!今回のテーマは「女性のがんについて」。検査についても誰かに相談しづらかったり、実際に罹患しても「言いづらい」など、 “話すことがタブー” と感じるこのテーマについて、より自分らしい人生を歩めるように「ちゃんと知る」「誰かと語る機会」を設ける場として開かれました。

メイン会場はサンリオキャラクターのぬいぐるみやカフェテラスのイラストなど、話しやすさを意識した空間に!10代〜40代の女性を中心に約500名が参加したイベントでは、専門医などを招いてのトークセッションの他、病気や身体に対する「もやもやの展示」、医療従事者による「プチ相談室」、無料で子宮頸がん検診が実施され、来場者なら誰でも利用できるカフェエリアも併設されました♪

トークセッションでは女性の健康課題に関するプロフェッショナルが登壇し、子宮頸がんや乳がんなどについて話し合いました。 セッションの参加者からは「自分の身は自分で守らないといけない」「婦人科医の話を聞いて自分が誤解していたことがわかった」「さっそく検診の予約をした」などの声があがり、より理解を深められるイベントになりました♪

ゲストのコメントや会場の写真など、多くの学びが得られたイベントの様子をお届けします!

オープニングセッションに国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子さんが登壇

成田さんは「米国では約58%の13歳以上の少女がワクチンを受けている、日本では子宮頸がんに罹患し、亡くなる人が増えているにも関わらずワクチン接種率が低い。子宮頸がんを引き起こすHPVが性的接触で感染するため、このがんに対して偏見があるのだと思う。こういった場で偏見なく考えることが必要」と述べました。

また、自身のワクチン接種の経験を紹介しながら「子宮頸がんは誰にでも起こりうることだと感じた。自分への思いやりと捉え、またその思いやりを大切な人にもシェアし、知識を深めて欲しい」とコメントしました。最後に「Let’s talk!」の創設者でもある世界的スーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァさんのビデオメッセージで締めくくりました。

セッション#1 「16社の悩める女性が考えた、わたしたちの “モヤモヤ” 」

株式会社ポーラが主催する女性の健康課題を学び合う「タブーを自由にラボ」から、株式会社ポーラの馬庭千晶さん、fermata株式会社の太田冴さん、株式会社サンリオエンターテイメントの北村萌香さんが参加し、女性の健康課題と女性活躍推進について議論を交わしました。

馬庭さんは「話せない、声に出せないことが一番のネック。まずは会話ができる場所を増やして、その先で解決策を考えていきたいと思いラボを立ち上げた」と経緯について説明しました。そして「婦人科に行くのが怖い」「出産や更年期などでキャリアを考えるのが難しい」「女性だけ出産のタイムリミットがあるのは何故?」など、ラボであげられた「モヤモヤ」について紹介。

フェルマータの太田さんは「女性活躍推進はキャリアを軸に話されることが多いが、女性の健康課題が深く関わっていることがもっと知られるべき」と意見を述べました。北村さんは「福利厚生には女性特有の健康課題を解決するものが無いため、悩みを見える化し解決する『Fem care benefit』というプロジェクトを発案し、来月から社内のトイレで生理用品を無償で設置することが決定しました。実際に使う事自体をタブーにしないようにすることが大切だと思う」とコメントしました。

セッション#2 「~未来を守る~子宮頸がん検査とワクチン」

子宮頸がんについて、関東中央病院産婦人科の稲葉可奈子先生は、「がん検診というともっと歳をとってからのイメージの人が多いと思いますが、子宮頸がんの患者で一番多いのは20代後半から40代なんです」と、会場にいる参加者に呼びかけました。

また、子宮頸がんの原因となるウイルス「HPV」を予防するワクチン接種は「小学校6年生から高校1年生までは無料で接種でき、1997~2007年度生まれの女性は特例で2024年度まで無料で接種できる」と説明。子宮頸がんの症状について「子宮頸がんの特徴は初期は何も症状がない。出血のイメージがあるかもしれませんが、もし症状として出血があったらかなり進行している段階。検診で発見できるときはかなり前の段階なので『私は元気だからだいじょうぶ』ではなく、元気だからこそ検診を受けて欲しい」 と訴えました。

セッション#3 「女性ががんになるということ」

株式会社サンリオエンターテイメントの代表取締役社長の小巻さんは、乳がんサバイバー(※)としての体験を語る中で「乳がんになる人は今は8人に1人ぐらいに増えていて、がんと言われることが本当に多い世の中。『ならないために』というメッセージが多いけど、なってしまったらどうしていけばよいのか、仕事はどうするのか?友人や家族との関係はどうなる?という話を皆さんに聞いていただきたいと思っていた。私の場合、仕事は整理して頼むべきことは頼んだものの、手術した後のことはどうなるか分からないので考えるのはやめた」と話しました。

むらさき乳腺クリニック五反田院長の池田紫先生は、「セルフチェックでしこりがなくても、乳がんのタイプによってはしこりが分かりにくいものがある。だからこそ検診を受けて欲しい」と訴えました。

池田さんは「乳がんであることを隠している人は多い。私の患者さんには、ご家族、友達、同僚など理解ある人に説明するので連れてきて欲しいと伝えている」とコメント。続いて小巻さんは「ひとりで悩まず、周りの人に話して欲しいし、会社としてもそういった機会や制度を作っていきたい」と述べました。

さらに池田さんは「世の中は便利になってきているので、もしがんになっても使えるリソースは使ったほうが良い。また、周りに申し訳ない、迷惑をかけてしまうという理由で仕事を辞めてしまう人がいるが、とにかくしがみついてでも仕事は辞めないで欲しい」と訴えました。

※「がんサバイバー」とは、がん治療を終えた、がんと診断された、治療中や経過観察中などを含む「がん体験者」の総称。

セッション#4 「身体 / 病気 / 社会の仕組みを正しく理解することの重要性」

株式会社ポーラ代表取締役社長の及川さんは「自分のチームにがんに罹患していなかった人はいない。それぐらい身近な事だけど、会社に相談できなくて悩んでいる人も多い。そこで当社では『がんフレンドリーアクション』 というがんについて知る・学ぶ・サポートするという活動を行っている。特にロールモデルとして、社員の体験談から学ぶことが大切」と社内の活動を紹介しました。

富国生命保険相互会社 埼玉支社 営業次長の津田朋美さんは「10代〜40代までの保険の給付金は女性の方が多く、その中でも子宮系が多い。若い方はがん保険だけではなく、今は予防のための特約や仕事ができなくなった時の給付金もある」と説明し、小巻さんも「治療費以外にも、ちょっとした事でも余裕があると精神的にも癒されるので、若い人ほど保険は入って欲しい」と述べました。

国連人口基金(UNFPA)駐日事務所長の成田詠子さんは「子宮頸がんは女性の疾患だが、国によっては男性と一緒でないと病院にも行けないところもある。その根底にはジェンダーの不平等がある」と国際的な課題を提言しました。また、及川さんは「ネットで情報を得ることが多いと思うが、フェイク情報も多い。検診の重要性、予防できるものにどういうものがあるのか、病院、行政、企業からの情報を多角的に得るべき」と述べました。

最後に小巻さんが「まず語ってみるというのは大事な 一歩。今日参加された方の何かのきっかけになることを期待している。また、乳がんは8人に1人がなる病気、子宮頸がんはワクチンでほぼ予防できる疾患なのにまだ命を落とすことがある。これからもこういった語りあえる場を作っていきたい」と述べ、イベントを締めくくりました。

会場の様子

女性にまつわる話題の中で、「タブー」とされやすい課題について話し合うことを目的とした「Let‘s talk !」。そういったテーマを取り扱うにあたり、「話しやすい」環境を作るのは大切なこと。そこで、イベント会場はサンリオキャラクターで彩られた空間に♡ サンリオならではのキュートであたたかい会場に仕上がりました!

・癒しの空間にデザインされたカフェエリア

・医療従事者に相談できるブース

・セッションの間にはブレストアウェアネス・リンパトーンストレッチ®︎でリフレッシュも

・無料で子宮頸がん検診を実施

イベントアーカイブ動画がYouTubeで見られる!

2023年11月23日(木)に行われた「Let’s talk!2023 in Sanrio Puroland」のイベントアーカイブ動画は、サンリオピューロランド公式YouTubeにて公開されています!女性の方はもちろん、男性の方も、普段は意識しないと耳にしない貴重な話を聞くことができますので、ぜひご覧ください♪

「Let‘s talk! in TOKYO」について

「Let‘s talk !」は、女性にまつわる話題の中で、「タブー」とされやすい課題について、オンライン・オフラインで国内外の声を集め、対話が広がることを通して、女性たちのQOL向上とエンパワーメントに貢献するムーブメント。女性の健康に関連する様々なタブーや偏見を乗り越え、オープンに語り合い、具体的なアクションにつなげる対話型のプラットフォームとして、世界的スーパーモデルのナタリア・ヴォディアノヴァさんと国連人口基金(UNFPA)が協力し、世界中で展開されています。

2021年に開催された「Let’s talk! in TOKYO」は、初潮、生理痛、生理用品、子宮頸がん、Femtechなど女性にまつわる話題の中で「生理」をテーマとした “タブーとされやすい課題” について対話を広げて実施されました。

<Let’s talk!の歩み>

  • 2018年:UNFPAとナタリア・ヴォディアノヴァさんがトルコ、アンタルヤにてスタート
  • 2019年:ナイロビにて開催
  • 2021年:「Let’s talk! in TOKYO」開催。テーマは「生理」

<イベント公式サイト・SNS>

タブー視せずオープンに語り合い「より自分らしい」人生を歩もう!

性別特有の病気や疾患、ジェンダー問題など、「性」に関する話題は「タブー」「センシティブ」とされやすいですよね。

また、今回のテーマである「女性のがん」のような話題については、自分や身近な人が当事者にならないと、あまり深く考える機会がないかと思います。

しかし、「タブー」「センシティブ」「意識しないと考えない」からこそ、こうしたイベントを利用して知ることが大切だというのを改めて感じました!

子宮頸がんや乳がんは、誰でも罹患する可能性のある病気。だからこそワクチンや検診など、予防や早期発見のための手段や、当事者になった際の給付金などのサポート体制が整っています。そういった情報について、全く知識がないのとある程度知っているのとでは、自分や身近な人が罹患した際の心持ちが違ってきますよね。

私もこうしたイベントを通して、「まずは知る」ところから始めていこうと思いました!

©2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

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