2005年に公開された『ALWAYS 三丁目の夕日』。吉岡秀隆さん主演で大ヒットしたのはご存知ですか?その原作となったのは、漫画家の西岸良平先生が手掛ける『三丁目の夕日』です。
『三丁目の夕日』は、小学館の『ビッグコミックオリジナル』で1974年から現在に至るまで長期連載中の漫画です。
舞台は、昭和30年台の東京にある架空の街「夕日町三丁目」。今から約60年以上前の人々の日常を描いた作品となっていて、その独特の作風は、多くの他の作品に影響を与えたとされています。
また、西岸先生というと、『鎌倉ものがたり』も欠かせません。堺雅人さん主演の実写化映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』も大ヒットを記録しました。
今回、2022年11月18日(金)から27日(日)まで、東京スカイツリータウンにあるソラマチ®5階「スペース634」にて、西岸良平先生初の展覧会「西岸良平画業50周年記念展」が開催されています。
いちごあんでも、関係者向け内覧会にご招待いただいたので、レポートをお伝えします。
会場の様子
西岸先生の部屋
エントランスを抜けると、展示は、西岸良平先生の紹介から始まります。
西岸先生がこの展示会を訪れたファンに向けて書き下ろしたメッセージが、みなさまをお迎え。この展示会に向けた想いなどが綴られており、西岸先生の人柄がよく伝わります。
ガラスショーケースには、西岸先生が保有する鉄道模型や蓄音機、懐中時計やステレオカメラなど、『三丁目の夕日』や『鎌倉ものがたり』などの物語に影響を与えた品々が飾られています。
実は、西岸先生は鉄道に造形が深く、鉄道そのものも西岸先生の作品に多く登場します。鉄道模型を見ながら、作品を創り上げる西岸先生の様子を考えると非常に興味深く思います。
三丁目の夕日原画ギャラリー
『三丁目の夕日』の原画を展示している「三丁目の夕日 夕焼けの詩」コーナー。
物語の舞台となる架空の街「夕日町三丁目」の巨大イラストが、まず目に入ります。実物を楽しんでいただきたいので、あえて写真は掲載いたしませんが、今は昔の古き良き時代を描いた巨大イラストは、その時代を生きていないものにとっても “懐かしさ” を思い出させます。西岸先生が長年にわたって描いてきた昭和30年代の「夕日町三丁目」はこんなに素晴らしいものだったのかと感じる方も多いと思います。
続いて、作品の制作に使われたネーム(著者直筆)、原画、雑誌・単行本掲載が掲載。本作が作られるまでのプロセスに迫る「比較展示」コーナーとなっています。
なんと、「比較展示」コーナーでは、なかなか見ることができない西岸先生のネームなどが1話分すべて展示!じっくりと時間をかけて1話分の原画などを見ることで、普段はわからない西岸先生の作品への熱い想いが感じられます。
三丁目の夕日ワールド~夕日町三丁目~
ここでは、昭和の夕暮れどきを連想させる「ライスカレー」の匂いを巨大イラストともに感じましょう。今は無理ですが、いずれタイムマシンができたら、昭和に戻りたくなります。
また、作中に登場する鈴木トモエが家の前でサンマを焼くイラストにも仕掛けが用意されていて、横の覗き穴を見ると…?そこは、西岸先生の展示会来場者のみのお楽しみです。
それに加えて、今は貴重な昭和の玩具や家電も展示されています。西岸先生の原稿と合わせて、作中の登場人物がこれらをどう使っていたのか考えながら、原稿を確認してみて下さい。もうそこは昭和…
合わせて、当時の該当テレビを想起させるコーナーで、夕日町三丁目の人々と映像を見てみてください。まだまだテレビが家庭にない時代。作中の人々がどのような想いを持ちつつ、このテレビを見ていたのか考えるだけでも、『三丁目の夕日』を新しい視点で楽しめるはずです。
他にも、フォトスポットとして懐かしのダイハツ・ミゼットに乗っている鈴木則文と一平と記念撮影ができるフォトスポットも展開されています。
鎌倉ものがたり原画ギャラリー
2017年に大ヒットした映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』から、原作となる『鎌倉ものがたり』をお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
「鎌倉ものがたり原画ギャラリー」では、暗い青い壁面に、海から顔を見せる妖怪の姿が。
こちらのコーナーでも、「三丁目の夕日原画ギャラリー」と同じく、鎌倉ものがたりの比較展示やカバーイラストの複製原画展示を楽しめます。ネームなどを見て、『鎌倉ものがたり』の新しい魅力も発見できるかもしれません。
もちろん、展示されている複製原画はここだけ。時間の許す限り、ゆっくりと眺めてください。
鎌倉探訪
こちらのコーナーでは、作品の舞台となった鎌倉を走る「江ノ電」の鉄道模型やジオラマ模型が展示されています。
西岸先生の『鎌倉ものがたり』には欠かせない「江ノ電」。鉄道模型やジオラマ模型を見て、作中の「江ノ電」に想いを深めていってください。
さらには、西岸先生が紫綬褒章を受章した際の「鎌倉ものがたり号」のパネルも必見です。
展示会会場には、一色先生と亜紀子の横に並んだり、鎌倉の猫の総大将「猫王」の隣に座って記念撮影ができるフォトスポットもご用意。特に「猫王」を間近で見れる機会はこれとまたありません。
SFミステリー原画ギャラリー
これまでに西岸先生が発表してきた、心が和む郷愁を感じる作品の数々が見れるギャラリーもあります。
中でも、単行本未収録の幻の読み切り作品「ラドン」の原画を一話分まるごと展示したコーナーは欠かせません。
さらには、「ヒッパルコスの海」「地球最後の日」「たんぽぽさんの詩」など、さまざまな名作の原画や、タペストリーも展示されていますので、時間が許す限り、西岸先生が描く世界観を堪能してください。
実写映画コーナー
最後の展示には、大ヒットを記録した実写映画『ALWAYS 三丁目の夕日』と『DESTINY 鎌倉ものがたり』のコーナー。
それぞれ『三丁目の夕日』と『鎌倉ものがたり』の展示を見ていると、実写映画コーナーで流されている実写映画の予告映像集が新しい視点で見れます。さらには、映画ポスターと映画グッズなども展示されていますので、早く家に帰って動画サブスクで見たい…!と思ってしまいますね。
今回の展示会に寄せて、両作品の映画監督を務めた山崎貴監督の直筆サイン入りコメントも読めます。
夕日町商店街(物販コーナー)
展覧会の最後のエリアにあるのは、物販コーナー「夕日町商店街」。
今回の西岸先生の展示会でメインとなった『三丁目の夕日』と『鎌倉ものがたり』の単行本ももちろん購入できるほか、ポストカード、マグカップ、クリアファイルといったオリジナルグッズも買えますよ。家族へのお土産にいかがでしょうか?
展示会で昭和のレトロさをもっと味わいたい方向けにも、今流行している「昭和レトロ」グッズの数々も販売されています。
「昭和レトロ」グッズの品揃えも豊富で、昭和ビンテージのファッションアイテム、昭和の大スターらのブロマイド、木製パネル、これに加えてビンテージラジカセなど、タイムマシンがなくても昭和を楽しめます。
西岸先生ファンには嬉しい、西岸先生の直筆サイン入り複製原画も合わせて販売!複製原画は、展示会でしか購入できません。
「西岸良平画業50周年記念展」で “ここだけ” の『三丁目の夕日』や『鎌倉ものがたり』の世界観を味わえました!
大ヒット映画の原作を手掛けた西岸先生。西岸先生初の展覧会ということもあり、 “ここだけ” の展示物が多数ありました。『三丁目の夕日』や『鎌倉ものがたり』のファンであれば、ぜひとも訪れるべきです。
もちろん、厳しい世界情勢の中、時代はどんどんデジタル社会へと進んでいっていますが、たまには “昭和” という過去も味わいたいもの。
筆者も、関係者向け内覧会前日に「カセットテープやブラウン管のアナログテレビがあったころに戻りたい」と思いましたが、西岸先生が令和になった今でも手掛ける作品の数々を見ると、それに近い想いは西岸先生もお持ちのよう。
やはり、令和という時代が進んでいっても、昭和の存在は変わりません。
西岸先生の『三丁目の夕日』や『鎌倉ものがたり』などの作品は、良き「昭和」を語り継いでいます。今回の展覧会は、西岸先生の様々な「昭和」への想いが伝わる貴重な展覧会です。
西岸良平画業50周年記念展「三丁目の夕日と鎌倉ものがたり ~昭和レトロとSFミステリー~」
開催概要
- 催事名:西岸良平画業50周年記念展 三丁目の夕日と鎌倉ものがたり ~昭和レトロとSFミステリー~
- 会期:2022年11月18日(金)~11月27日(日)
- 会場:東京ソラマチ® 5階 スペース634
- 住所:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5階「スペース634」
- 入場時間:10:00~20:00(最終入場は閉場の30分前まで) ※最終日は18時閉場
- 入場料金:
前売券 大人1,300円 子供(小中高生)700円
当日券 大人1,500円 子供(小中高生)900円 - 公式サイト:https://saiganryohei-50th.com
- 公式Twitter:@saiganryohei_50(https://twitter.com/saiganryohei_50)
- お問い合わせ先:西岸良平画業50周年記念展事務局
TEL:03-6260-4818(平日10:00-17:00) ※会期中のみ土日祝も対応 - 主催:西岸良平画業50周年記念展実行委員会
- 協力:小学館/双葉社
物販情報
西岸良平画業50周年記念展オリジナルグッズや、直筆サイン入り複製原画、書籍ほかレトロ雑貨など、懐かしい商品を取りそろえた出展店舗が集う「夕日町商店街」を併設しています。
※物販スペースはどなたでもご覧いただけます。
夕日町商店街出店店舗
- 昭和レトロ雑貨『小熊山雑貨店』
- 昭和ビンテージ洋品店『スミックス』『すみれ』
- ビンテージラジカセ『DESIGN UNDERGROUND』
- プロマイド写真『浅草マルベル堂』
※27日(日)のみ出張プロマイド撮影実施 - ホーロー風ミニプレート制作『D-CAN金澤』
※11月19日(土)・20日(日)のみ出店
[西岸良平画業50周年記念展 三丁目の夕日と鎌倉ものがたり ~昭和レトロとSFミステリー~]
©西岸良平/小学館 ©西岸良平/双葉社