コミックマーケット106におけるKDDI(au)の通信品質対策とは?昨年比約2倍の屋外通信対策を実施!

「au」「UQ mobile」「povo」を展開するKDDIは、2025年8月16日と17日に東京ビッグサイトで行われた「コミックマーケット106」に合わせ、昨年のおよそ2倍にあたる規模の通信対策を行いました。

コミックマーケット(通称コミケ)は世界最大級の同人誌即売会で、国内外から数十万人が訪れるイベントです。8月15日・16日合わせて25万人(※公式発表)が来場し、会場内や周辺では、多くの参加者が一斉にXなどSNSに投稿したり、au PAYといったキャッシュレス決済で買い物をしたり、友人との連絡を取り合ったりするため、通信回線は極端に混み合います。

このコミックマーケットのような大規模なイベントが開催された場合、通常のネットワーク設備のままでは「ネットがつながらない」「決済アプリが反応しない」といったトラブルが起こりやすいため、通信事業者にとっては毎回大きな試練となっています。

実は、KDDIの携帯電話ネットワークは、世界的な調査会社・Opensignal社の調査で「信頼性の高い通信体験」として最高評価を得ています。これは単なる宣伝文句ではなく、東京・大阪といった大都市の繁華街から地方都市に至るまで、長年にわたって基地局の整備と最新技術の導入を積み重ねてきた成果とも言えます。例えば、池袋や新宿、渋谷、大阪の梅田といった人が多く集まるエリアでは、ユーザーの見えないところで常に通信環境が強化され、いつでもスマートフォンが快適に使える状態が維持されています。

イベント対策の工夫とは?

特に数十万人が同時に集まるコミックマーケットのようなイベントでは、通常の基地局では多くのユーザーの通信を捌くことができません。そこでKDDIは「移動式のアンテナ基地」を活用します。

これはトラックに通信設備を積み込んだ「車載型基地局」や、人の手で運んで設置できる「可搬型基地局」と呼ばれるものです。普段は必要のない場所にも臨時で通信の拠点を設けることで、会場内外の混雑エリアをピンポイントでカバーできるのです。

イメージとしては、道路が渋滞する時に臨時の車線を増設するようなものです。普段は1本しかない道路を2本、3本と増やすことで、車=通信データの流れをスムーズにするわけです。

新しい技術で「2倍のつながりやすさ」

今回のコミケでは、さらに新しい装置が投入されました。名前は「Dual Band Massive MIMO Unit(DB-MMU)」と呼ばれるものですが、難しい言葉を省いて説明すると、「一度に使える電波の道を2本用意する装置」です。

従来は1本の道をたくさんの人が取り合うような状態でしたが、新装置では2本に増えるため、最大で2倍の人が同時に利用してもつながりやすさが保たれます。

これにより、待機列に並んでいる間も写真や動画をアップロードでき、友人との連絡や参加サークルの情報検索などがスムーズに行えるようになりました。

移動基地局・可搬型基地局の利用者にとってのメリットとは?

イベント参加者にとって通信環境は今や「空気のように当たり前にあるもの」ですが、実際にはその裏で大規模な工夫が行われています。通信が安定していることで、SNSへの投稿で会場の盛り上がりを共有したり、キャッシュレス決済でスピーディーに買い物を済ませたりすることが可能になります。特に最近は紙のチケットではなくスマホ画面で入場する仕組みが主流になっているため、「電波が弱くて入場できない」という事態を防ぐことは、イベント運営にとっても重要です(※注:コミックマーケットではリストバンド式の入場方式です)。

KDDIは今回のコミックマーケットだけでなく、音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「FUJI ROCK FESTIVAL」などでも同様の対策を実施しています。いずれも数十万人が集まるイベントであり、通信の安定性が参加者の満足度に直結するためです。これらのノウハウの積み重ねが、今回の大規模対策につながっています。

イベントによっては、スペースX社が展開している衛星通信サービス「Starlink」をバックボーンとした基地局も併用。「Starlink」を利用することでより多くのユーザーの通信を捌くことが可能になっています。

実際のところ、KDDI広報部によると、「Starlinkを利用するイベントは、完全に既存のネットワーク回線で対応できないわけではないのですが、お客さまが多く通信環境が不安定になることを想定した対策となります」とのことですが、まさに、ユーザーの通信体験を最優先にした対応とも言えそうです。

いずれにしても、イベントにおいて地道なエリア対策などから得られたノウハウから、第三者調査機関からの評価が高い証拠かもしれません。

KDDIの今後の展望は?

KDDIは今後も「ずっと、もっと、つなぐぞ。」をブランドメッセージとして、繁華街、イベント会場や観光地での通信環境整備を進めていくとしています。また前述のStarlinkを積極的に導入することで、従来カバーすることができなかったエリアもスマートフォンで通信できるような施策も行っています。

そして混雑するイベントなどでより快適に5G通信を利用できる「au 5G Fast Lane」も提供しています。

通信は普段は目に見えませんが、その安定性はイベントの快適さを左右する重要な要素です。今回のコミックマーケットでの取り組みは、単に「電波がつながる」ということ以上に、参加者の体験全体を豊かにする大きな役割を果たしているとも言えます。

(取材:間野優希)

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